月のサイクルを意識し、野菜づくりに活かす!

農業の知識

「種は、満月の頃にまく」

SNSをしていると、月のサイクルを取り入れて野菜づくりをしている人を見かけます。

野菜づくりの本を読んでいても、月の満ち欠けと野菜づくりの関係についての記載をたびたび目にします。

ヨーロッパで有名な有機農法で循環型農業でもあるシュタイナー農法(バイオダイナミック農法)でも、月のサイクルを重視した農業暦に従い野菜の栽培を行います。

月のサイクルは植物の成長にどのような影響を与えるのか。そして、野菜づくりにどう活かすことができるのか、まとめてみたいと思います。

新月のとき

新月のとき、月は太陽と地球の間の位置関係になります。地球に対する太陽と月の引力は、同方向から働くので強くなります。

野菜の生育は、「栄養生長」

地球に働く強い引力の関係で、新月のころの野菜の生育は葉や茎が育つ栄養生長傾向になります。

苗の定植も、成長しやすく活着しやすい時期です。

苗づくりをする場合は、上に上にとひょろひょろ伸びてしまい徒長してしまう傾向があるので注意が必要です。

満月のとき

満月のとき、 地球が太陽と月の間にあります。 地球に対する引力は、太陽と月、両サイドから働いて弱くなります。

海が大潮になるときも、地球が引力の影響を最大限に受ける満月のときと新月のときです。

野菜の生育は、「生殖生長」

地球に対しての引力が弱くなる満月の時期には、花が咲いたり実をつける生殖生長傾向になります。

種まきは、満月に発芽するように

発芽した苗は、まずは根をしっかりと張ることが重要です。

満月のころは、地球に対する引力は、太陽と月それぞれが引っ張り合うので、しっかりと根が張りやすいです。

発芽の時期を計算し、満月のころに発芽するように種をまくことで、苗づくりが成功しやすくなります。

虫が多くなる

虫も、満月のころに生殖生長期になり、交尾し産卵するという習性を持っています。

このサイクルを意識し、満月のころは見回りを強化したりネットを張ることで虫の被害の早期発見・予防につなげられる可能性があります!

薬剤散布をする場合は、満月より少し経ったあと、孵化した時期を狙うようにすることで効果的に行い、回数も減らすことができるかもしれません。

まとめ

月のサイクルを意識し、野菜がどう生長する傾向があるのか気にして育てることで、より生育のいい野菜づくりに活かすことができそうです。

実際にはどのくらい違いが出るのか気になるところです。

人間も月のサイクルによって体調や行動に変化があると聞いたことがあるので、 意外と影響があるのかなと思ったりもしました。

次の秋野菜を育てる時は、ぜひ取り入れてみたいと思いました。

しかし、4年ほど家庭菜園をしている私が大切だと思うことは、天候も気にしながら適期に遅れないように育てるということです。遅れてしまうとうまく成長しないし、収穫量も減ってしまうからです。

満月も新月も30日に1回しかないので、なかなかタイミングを合わせるのは大変です。

栽培計画を余裕をもって立てて、月のサイクルも利用できるタイミングなら利用するというスタンスがいいのかなと思いました。

参考文献

野菜だより編集部(2019年)『家庭菜園でできる自然農法』株式会社 学研プラス p.96
関野幸生 渋谷正和(2017年)『とっておきの野菜づくり』成美堂出版 p.184-185

岡本よりたか(2017年)『無肥料栽培を実現する本』 マガジンランド p.38-39

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